中河原駅周辺にある、府中市が設置した地名の由来碑の場所と碑文を紹介します。 |
◆中河原(なかがわら) >御嶽森公園内 御嶽神社隣地 |
中河原(なかがわら)は、現在の住吉町一丁目の一部(鎌倉街道沿い)に集落の中心があった村落です。 幕末の地誌「新編武蔵風土記稿」には、「家数三十四軒所々に散在す」とあります。中河原は、もと大道(大堂とも)と呼ばれていましたが、天文年間(一五三二〜 五五)の多摩川の洪水により、石河原になってしまったために、それ以降は中河原と称したといわれています。古く、多摩川ははるか北側を流れており、中河原は 多摩川の南側に位置していたようです。 地名の起こりは、集落が古多摩川(古玉川)と浅川との間の河原にあったことによるようです。中河原からは、応安七年(一三七四)などの年紀が刻まれた板碑 が出土しており、村落の古さを物語っています。 |
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◆小野宮(おののみや)>小野ノ宮公園内 |
小野宮(おののみや)は、現在の住吉町三丁目の一部(小野神社辺り)に集落の中心があった村落です。 この集落は本宿に属しており、「新編武蔵風土記稿」(幕末の地誌)には「本宿村」の小名としてその名が見えます。 小野宮は、近世初頭の多摩川の大洪水によって集落を失いましたが、多摩川の流れが定着したのを機会に旧地へもどり村を再建したようです。 地名の起こりは、この地に小野神社(小野宮)が鎮座することによります。 小野神社は、「延喜式」の神名帳に記されている由緒の深い古社で、六所宮(大国魂神社)の「一之宮」に列せられています。 |
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◆間嶋(あいじま)>間嶋神社境内 |
間嶋(あいじま)は、現在の住吉町三、四丁目の一部(間嶋神社辺り)に集落の中心があった村です。 この集落は本宿に属しており、「新編武蔵風土記稿」(幕末の地誌)には、「本宿村」の小名としてその名が見えます。もともと間嶋は青柳島(関戸橋の西方)にありましたが、多摩川の洪水で流されたために移転したと伝えられています。青柳島の住民の多くは、他所(国立市青柳)へ移住したようです。 地名の起こりは不明ですが、古く、集落のあるところが河川との間の島のような中州であったことによるのかもしれません。 延宝六年(一六七八年)の検地帳には「相嶋」と誌されています。 |
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◆四谷(よつや)>四谷文化センター入り口 |
四谷(よつや)は、現在の四谷二丁目の一部(四谷通りと東大山道にはさまれた地域)に集落の中心があった村落です。 幕末の地誌「新編武蔵風土記稿」には「寛永の初洪水にて、地所一旦流出せしを、今の村民三左衛門が先祖内匠(市川姓)再び開墾せし邑なりといふ、民家五二戸、處々に散在す」とあります。古くは、「四つ家」の字があてられています。 地名の起こりは、四つの家が村を興したことによるようです。その四軒の家については、諸説があって不明です。この地域は多摩川の氾濫で、谷とおぼしき地形はありません。四谷の西端(四谷六丁目)の三屋は、「四ツ谷村」に属した集落です。 |
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◆下河原(しもがわら)>南町第3公園内 八幡神社隣地 |
下河原(しもがわら)の集落は、現在の南町四丁目の一部(下河原通り沿い)に中心があった村落です。 この集落は、蓮光寺(多摩市)に属しており、「新編武蔵風土記稿」(幕末の地誌)には、「蓮光寺村」の小名としてその名が見えます。古くは一村をなしていたようです。 地名の起こりは、地形に由来するようで。「風土記稿」には「多摩川にそひたる飛地なり、地勢自づからひくきを以って、かく呼べるならん」とあります。「中河原」の下手(多摩川の下流)の集落とする説もあります。 下河原の区域(面積〇.四七平方キロメートル、人口三五〇人、六四世帯)が境界変更により府中市に編入したのは、昭和三十年四月のことです。 |
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◆分梅(ぶばい)>分梅三叉路緑地内 |
分梅は、現在の分梅町二、三、四、五丁目の一部(鎌倉街道〜分梅通り沿い)に集落の中心があった村落です。この集落は本町に属しており、「新編武蔵風土記稿」(幕末の地誌)には「本町」の小名としてその名が見えます。分梅はもとハケ上の上分梅(八雲神社辺り)に集落の中心がありましたが、多摩川の流れが南に移った後分倍河原に進出したといわれています。古くは「分倍(陪)」や「分配」の字があてられ、「ぶんばい」と呼ばれていたこともありますが、近世以降には「分梅」が多用されています。 地名の起こりは、不明ですが、この地がしばしば多摩川の氾濫や土壌の関係から収穫が少ないために。口分田を倍に給した所であったという説があります。 |
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地名由来碑位置図 |
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